2019年07月31日

BABYMETALに鞘師里保(元モーニング娘。) 其の弐

(承前)

「続く(続かない)」というのが、モーニング娘。牧野真莉愛のブログの定型なのだけど、僕は真莉愛のような美少女とは違うので、きちんとかどうかはともかく、続けます。


わたくしは接触回避型のヲタなので、以下は伝聞に基づきます。

以前、まだ里保ちゃんが娘。現役時代に、所謂お強い系の鞘師ヲタと飲んだ時に聞いた話から。里保ちゃんは、おおよそ高校生になったくらいから握手会で、海外で仕事をすることに強い関心を示すようになったといいます。というのも、このヲタさんが、年に何か月か海外に滞在して仕事をする人(詳しい業種・職種などまでは知りません)だったからです。鞘師は、彼女がかかわる芸能とはまったく縁が遠いはずのヲタの仕事の話に興味津々で、特に“外国で暮らす”ことに強い反応があったとのこと。

伝聞の話終わり。

先日のGlastonbury FestivalとO2 Academy Brixtonに於けるBABYMETALのステージで、にこやかかつシャープに舞い踊る鞘師里保の姿を(配信動画で)見て、わたくしが思いを致したのは、数年前に伝え聞いたこのエピソードでした。

モーニング娘。は(或いはHello! Projectは、と言ってもいいのかもしれない)、どちらかといえばドメスティックなスタイルをよしとする存在です。海外展開をまったく一顧だにしないわけではありませんが、それは自らのスタイルをそのまま引っ越し公演のように持って行くものでした。時に出張することはあっても、確立したドメスティックなスタイルを崩すことなく守る。わたしたち「日本のアイドル」はこうだ、とそのまま示すことを好んできました。(尚、これにはHello!の海外進出をコーディネイトして下さっていた故櫻井さんの影響があるのだろうと、わたくしは考えています)

娘。のライブ、コンサートそのものもこうした基調を持っていると感じます。特に所謂プラチナ(高橋政権時代)以降、サウンド面での味付けはあるものの、ステージはギミックやショーアップに極力頼ることなく、歌(とダンスのフィジカル)を前面に押し立て、押し切るスタイルを求めてきたのだと思っています。鞘師里保は、このリーダー高橋愛の下でモーニング娘。としてのキャリアをスタートさせました。

ここでBABYMETALと鞘師里保のことからは外れてしまいますが、ひとつ。
娘。の(或いはHello!の)ステージのあり方について、近来、殊にジャニヲタなど優秀なエンタメから流れ/兼帯で娘。ヲタ化したうちの一部の人* との間に、乖離があるように感じることがあります。乱暴に要約してしまうと「もっと大きなハコ、たくさん客が入るハコでやれる」「やらないのは糞事務所の無能or怠慢のせい」という意識に対して、必ずしもそうではないのでは?と。勿論、卒コンが大落選祭りになるのは由々しき問題だし、石橋を叩いて渡らずひたすら損失だけは回避するUFのやり方は、旧来のヲタからも批判は多い。しかし、あの会社が大バコ公演に慎重なのは、埋まらないのを嫌うことだけが理由ではないのではないかと考えています。

個人的には「モーニング娘。という芸能」が機能する現場規模の最適解は、1万人からせいぜい2万人ちょっとではないかと思います。なんならSSAでも少し大きいくらいで、ここで彼女たちの魅力をオーディエンスに伝えるには、いくらか工夫が必要になるでしょう。この感覚は以前から持っていましたが、偉大なる℃-uteの解散コンサートに感動したときに、更にその思いを強くしました。ましてドーム規模となれば工夫程度では済まず、現在とは違う演出を徹底的に練る必要があると思います。そうなれば、それは今の娘。の音楽とは、根本的に異なったショーにならざるを得ないでしょう。

現在のモーニング娘。の柱石・譜久村聖と小田さくらは、今年受けたインタビューで、こんなことを話していました。
譜久村 私は初めて立つステージですごく緊張してしまう人なんですけど、これまでにモーニング娘。の先輩方が立ってきたステージにはどうしても立ちたいんですよ。だから、道重さゆみさんが一度連れて行ってくれた横浜アリーナにもまた立ちたいし、他の先輩方が卒業コンサートとかハロー!プロジェクトのコンサートで使っていたさいたまスーパーアリーナにも立ちたいとと思ってます。東京ドームほど遠くなってしまうと逆に熱量が伝わらないかなって思うんですけど、今の私たちがどこまで伝えられるのか試してみたいというのはあります。今はありがたいことに武道館に立たせてもらう機会が増えて、武道館での歌い方っていうのが掴めるようになっているので、だからこそもうワンステージ上に行けたらいいなって思ってます。
小田 私、他のアーティストさんのライブをすごく大きい会場の後ろのほうで観たことがあるんですけど、楽しいと思う反面、「ここまで遠いと他人事みたい。TVで見てるのと変わらないかな」って一瞬思って。でも、こんなに大きい会場でもみんな同じ気持ちで楽しめるアーティストがいたら本当に凄いと思ったので、自分たちでそういうことができたらなとは思います。
チャレンジする姿勢は否定していませんが、極めて慎重に、的確に自分たちのライブの空間を考えているのが分かります。これを怯懦と受け取るか、矜持と解釈するかで、その人が娘。に何を求めているか分かるように僕は思います。

本題に戻ります。
こうしたモーニング娘。で育った鞘師が違う世界を意識し志向したときに、早期の卒業を選択したのは不思議なことではありません(だよね?)。だから大半の鞘師ヲタは、発表から2カ月しかない、卒業公演は単独でなくカウントダウンと、悲嘆にくれ寂寥に苛まれながらも、いつか里保ちゃんの新しい姿を見られることを期待して送り出したのだと思っています(古いヲタは受け入れてのみ込むのに慣らされているというのもありますが)

従って、Glastonbury Festivalという世界的に見ても最大規模のフェスに推しを連れていってくれて、思い切り踊る姿をヲタに見せてくれたBABYMETALに対し、感謝の言葉があふれたのは当然のことだといえます。仕事をする人々がなにより喜びを感じるのは、その仕事が求められ、それを提供することが出来、満足してもらえることではないかと思いますが、このときの里保ちゃんは正に、その喜びを感じていたと想像してよいでしょう。それくらいの晴れ晴れしい笑顔でした。

(この項、もうちょっと続くかも)

*勿論、ジャニヲタから娘。ヲタになった人/兼ヲタになった人すべてが、デカイ箱でやれと言っている、と主張しているのではありません
posted by koke.N at 17:17 | Comment(0) | 鞘師里保 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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